内容紹介
1940年代。
空には戦闘機の轟音が響きわたり、戦争の幕が静かに上がり始める――
自由と自治の校風で知られた台北高校は、
将来の成功を夢見る多くの若者たちを惹きつけた。
高等学校に進学することは、未来の成功が約束されたも同然だった。
だが、戦争の始まりとともに、自由な空気は徐々に奪われていく。
文学を愛し、高校生活に憧れていた少年・猫野。
彼は学びの喜びに満ちた日々を送れると思っていた。
しかし、情勢はあまりに急速に変わり始める。
親友の犬山は徴兵され、フィリピン戦線へ。
同級生の未川は空襲で命を落としかけた。
猫野は、戦争の恐ろしさを少しずつ実感していく――
歴史の歯車は止まることなく、容赦なく回り続ける。
戦火に翻弄されるなか、迷い苦しむ少年たちは、
希望の光をどのように見出すのだろうか?
漫画家・阿獰が丹念な取材をもとに、1940年代の戦時下台湾の学生生活を描く。
少年たちの繊細な心の揺れと、時代の空気を鮮やかに映し出した感動作。